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非日常空間を日常の舞台に参加させて面積を超えた拡がりを得た現代長屋

「このバスルームでお風呂に入ることが好きになりました。昼でもブラインドを開けて入っています。こんなに気持ちがいいと、外に向かって仁王立ちしたくもなるんです」と笑うのはこの部屋に住む平井さん。メゾネットー階部分の南側、隣家に面した場所に集合住宅RCCNのバス、トイレはあります。しかも手前に位置する寝室部分との堺は、ベッドのヘッドボードより、上の部分が片開きのガラス建具になっていて、外の景色まで見通せます。孟宗竹が青々と茂っているのが、部屋に入ってすぐの場所からもはっきりと見えるのです。「大抵の集合住宅ではバス・トイレはエントランスを入ってすぐ横、それも北側の暗い場所にあることが多いそれを否定することからはじまりました」最初の集合住宅を手掛けた10年前に、椎名さんが初めて南面バスをとり入れたのです。敷地は東西方向に長く、南北方向に短いため、「北側斜線、日影規制の影響を受けない範囲で確固たる存在感を出したかった」と建物のファサードは純粋形態としての正方形に近く、外壁は淡いピンク色で仕上げられ、コストバランスがよい長屋形式が採用されました。七つある居室のうち二つがオーナーとその弟さんの住居、残りの五つが賃貸のユニットとなって います。賃貸の1部屋の延べ床面積は12坪。1階に寝室と浴室・トイレ、2階にリビング・ダイニングとキッチンというプランです。1日のうちで出番の少ないバス・トイレだが、最低1坪ほどのスペースが必要となる。集合住宅の限られた面積のなかで、それだけのスペースがとられてしまうのはかなり痛い。 「だからといって単なるユニットバスや、狭い密閉された空間にはしたくはないのです」椎名さんは身体を清めて、1日の疲れを癒す浴室を、始原に立ち戻る「聖なる空間」と考えているからだ。

ワンルームの部屋に住む若者の多くが、狭苦しさのためにドアを開けて風呂に入ることが多いと聞いていた椎名さん。それならば、いっそのこと一体空間にして、非日常の空間であるバス・トイレを日常的空間に参加させる、そんな考えが『仕切りつつ、解放できるもの」へと発想を屈開。そうして寝室とバスルームのガラスの仕切りが建具化されたのです。仕切りを開けることでバスルームは開放され、寝室という日常空間に参加することになった。

1階部分の天井高は2.1mと必要最低限度の階高に設定されている。かわりに2階は3mの天井高をとり、空間にゆとりを持たせた。「延べ床面積12坪、階高2.1m」などとい った数字からは想像のできないほどの拡がりが、この部屋にはあるのです

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