ホーム

砧という土地

世田谷区砧といえば成城の高級住居街を隣に控えた住居地だけれど、街並みは高級住居もあれば、築ウン十年といった趣の古家もあり、加えてまわりには畑が広がっていることすらあります。 スペラールが建つまわりも新しく建てられたマンションがあるかと考えれば、目の前には畑が広がっています。 都市型住居と郊外型住居がせめぎ合う位置があるとすれば、ここがそうなのと思います。 集合住居を設計する喝合、敷地条件から構造を追い込んでいくことはもちろんですけれど、それ以上に大切になるのがどんな入居者を想定するかといったことになっています。 ところが前述の通り、都心とも郊外ともいえない砧という土地柄は入居人層を想定しにくいところがありあました。篠原さんはそう呼びます。

「ファミリー向けに50~70㎡という大きさは与条件の中にあったので当初からその代わり量を有効に使用することは念頭においていました。ただ、入居者が想定しにくくて、結果としてモデルとなる生活習慣をいくつか考えて、それをもと11タイプの構造に落とし込みました」 外観は周囲のマンションの暗褐色と比較すると、クリーンでモダンな印象になっております。 賃貸マンションといったよりは外賀系企業のオフィスビルを思わせます。 その印象の源となっているのは連続した大開口でしょう。 これが小さな住居の連続にしか見えない既存のアパートのうそ寒さからこの建築物を開放しています。 さらに、このブラインドを覆うスクリーンは居住者が自在に上下させ、それにあおられて微妙なさざ波をつくって、その時々異なった顔つきを見せています。 こういったアイディアも集合住宅の既成概念を壊していくようで小気味いいものになります。

撮影した601号室はベントハウス的なメゾネット。 エレベーターを6階で降りると、屋上さながらのブルー天井が広がり、南側に居室が連なる景色は集合住居には珍しい眺めになっています。

    MENU